2009年 08月 15日
ピラティスインストラクター向けレクチャー 《 腰部における疾病傷害 》 【 基礎臨床医療 腰背部 】 機能解剖、バイオメカニクス、腰痛発生メカニズム、診断、おもな疾患 【機能解剖】 ▼骨形体 脊柱管の大きい形態 脊髄・神経根の大きい形体に応じた 椎間関節 胸椎 回旋運動 腰椎 前後屈 側屈 ▼靭帯 前縦靭帯 最表層;4~5椎体 中間;2~3 最深;各椎間 椎体中央部がもっとも厚い 後縦靭帯 椎体部;幅狭く厚い 椎間板部;幅広く薄い 深層;厚い 表層 間に毛細血管、動静脈叢 脊椎側方 下脊椎側方覆っている 黄色靭帯 上位椎弓前面~下位椎弓後面 脊柱管内保持 過度な前屈 棘間靭帯、棘上靭帯 腸腰靭帯&腹・背側仙腸靭帯 仙骨上部の荷重時、前方回旋防止 仙結節靭帯&仙棘靭帯 仙骨下部の荷重時、後方回旋防止 ▼椎間板 線維輪、髄核、軟骨終板 脊柱に可動性と弾力性の支持力 髄核;垂直方向に加わる力→全方向に均等に 自体内圧を有す 水分減少、線維化は力学的機能支障 ▼神経 脊髄、馬尾、神経根(後根、前根) 脳脊髄液、 くも膜、硬膜、脂肪組織、血管で保護 脊髄神経 脊椎洞神経 交感神経と吻合 → 腰背痛伝導 ▼血管 椎骨 椎間板 無血管 靭帯から 脊髄、神経根 【バイオメカニクス】 ▼前弯 脊柱 神経組織の保護 体幹の支持性と運動性 前縦靭帯 弾力性があって、圧迫強制に耐える → 腰痛をひきおこす原因ともなる すべり落ち ▼可動域 cf。 カップリング 屈曲 回転だけではなく、前方移動 椎間関節の内側縁に圧力 伸展 上位椎体が後方回転、後方移動 側屈 側屈した方向へ棘突起が回転 側屈した方向と逆の方向へ椎体正面が向く 回旋 回転軸は椎体のやや後方に位置 関節包が引き伸ばされる 反対側;下関節突起が上関節突起にぶつかる 椎体は後外側に回転 3度までは生理的に正常範囲 椎間板の線維輪には微小な損傷 回転運動;椎間板35%、椎間、棘上、棘間靭帯は制御 ▼椎間板 ▼椎骨 【腰痛発症メカニズム】 ▼刺激部位と疼痛発現部位 《体性痛》 椎間関節、傍脊柱靭帯、傍脊柱筋、椎間板および硬膜などに分布する知覚神経終末 《根性痛》 神経根になんらかの機械的圧迫、化学的刺激が加わり、神経根が炎症を引き起こされる 腰椎前縦靭帯直下 ( 腰仙部交感神経幹、脊髄神経交通枝を介し ) ・・・・関連痛としてより遠位の髄節にも疼痛 正中;腰部正中両側に深部痛 前側方;刺激側のみに痛み 椎間関節包および棘上・棘間靭帯周囲 ( 脊髄神経背側・内側枝を介し ) 椎間関節関節包;同側に こぶし大の、境界不明瞭な非放散性の深部腰痛 棘上・棘間靭帯;正中に 〃 腰椎後縦靭帯、後方線維輪 ( 洞脊椎神経を介し ) 正中からやや拡がりをもった境界不明瞭な非放散性の深部腰痛 神経根 片側の腰殿部から下肢への電撃様放散痛 ▼脊柱機能単位の破たんと腰痛発症 第1相(初期機能不全期) 椎間板;反復ストレス→髄核、線維輪のプロテオリカンは減成、 水分含量減少、線維輪に多数の微細な輪状の断裂 椎間関節;異常運動、滑膜炎、関節裂隙内に滑膜ひだが形成 痛みの特徴;深部腰痛と急性腰痛 ← 洞脊椎神経、脊髄神経背側・内側枝への刺激 第2相(不安定期) 椎間板;髄核、線維輪の変性進行、水分含量低下、内圧低下 線維輪全体の放射状断裂・内部崩壊、全周性に膨隆 → 前・後縦靭帯が弛緩、椎間間隙狭小化 椎間関節;関節軟骨退行変性、椎間関節包の弛緩、関節の不適合・亜脱臼 痛みの特徴;両側性の非放散性の深部痛でこわばり感を伴う 傍脊柱筋、腹筋の弱化 (脊髄神経背側・内側枝および洞脊椎神経への刺激が慢性化) 労作時に増悪する深部重圧痛 (線維輪の断裂拡大 → 知覚神経の自由終末が侵入 後方線維輪の膨隆とそれに伴う後縦靭帯の異常緊張 洞脊椎神経の過緊張、神経幹神経の刺激) 第3相(再安定期) 椎間板;椎間板内容物が吸収、線維化 線維輪膨隆は骨棘で阻止 骨棘は骨性強直になることも 椎間関節;関節軟骨の完全焼失、骨膜下骨新生による骨棘形成、関節の球状肥大・変形、 関節周囲の線維化、可動域減少 痛みの特徴;下肢しびれ、脱力 起立・歩行で増悪 間歇性跛行 脊柱管狭窄症 馬尾・神経根の直接絞扼、神経の循環障害 Relathera®
by relathera
| 2009-08-15 00:49
| 東京新宿 ワークショップ
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![]() 【予防医療フィットネス研究会】 臨床医療従事者、ピラティス等運動療法に関わるインストラクターの舞台ウラ。「知識」と「技術」と「経験」そして「人間性」を兼ね備え、クライアントのためになる環境づくりの場。 by relathera カレンダー
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「ピラティス」「ジャイロ」「ヨガ」などは「予防医療」として、「リハビリ」として、医療分野で大いに活用していけるもの。 NYなどからトレンドとして日本に上陸した経緯はともかくとして、流行に終わらせず、ピラティスインストラクターが医療知識を持つことによって医療分野でも大いに活躍することを患者・患者家族・医療従事者は願っております。 【特別ワークショップ】 ・東京:近日発表予定 ・大阪:未定 ▼詳細 こちら ▼講師 解剖学教授、大学院解剖学教室所属、臨床医療系医療従事者、など 【インストラクターのためのスキルアップセミナー(傷害疾病・機能不全対策講座)】(東京・中目黒) ▼テーマ 運動療法によって、レッスンで結果をだす!! ▼日時 おもに毎月第3月曜日14:00~16:00 ▼内容 肩関節(肩関節周囲炎など)、頚部(頚椎症、胸郭出口症候群など)、腰部(脊柱管狭窄、ヘルニアなど)、膝部(変形膝関節など)、その他スポーツ傷害 詳細はこちら ▼講師 臨床系医療従事者 ▼会場 ヴァージンピラティス・スタジオ 【はじめて学ぶくらいの初歩の解剖学講座】(東京・中目黒) ▼内容 解剖学というのをどこで学んでいいのかわからない、学んだつもりが実はよく理解できていなかった、いまさら知らないとは言えない立場、不運にも解剖学が大キライになってしまった方々へ。指導現場で活用できる知識をしっかり築きましょう。 ▼詳細 こちら ▼講師 大学院解剖学教室所属 ▼会場 ヴァージンピラティス・スタジオ 【わかりやすい入門基礎機能解剖】(東京・中目黒) ▼内容 基礎:基礎中の基礎。人体構造を3D画像・骨格模型などによって確認していきます。 触察:骨・筋・靭帯を中心として、ランドマークなどを触察し、解剖学的に人体構造を確認し、クライアントへのタッチング技術も。 詳細はこちら ▼講師 臨床医療系コンディショニングトレーナー ▼会場 ヴァージンピラティス・スタジオ 【入門基礎機能解剖学 + サロンクラス】(日本橋・中央区) 詳細はこちら ▼講師 臨床医療系コンディショニングトレーナー ▼会場 中央スポーツセンター 【特別ワークショップ】(大阪・東大阪) ▼内容 レッスンを運動療法につなげる ▼詳細 こちら ▼講師 臨床医療系コンディショニングトレーナー ▼対象 運動療法等に興味あるインストラクターやダンサーなど ▼会場 スタジオ・ヤンパル(Yampal) ▼主催 Yampal ▼問合せ コミュニケーションスタジオ・ヤンパル(Yampal) ▼協力 予防医療フィットネス研究会 りらせら Relathera 【特別ワークショップ】(東京・日本橋) 大学解剖学教授によるフィットネス系インストラクター向け講義 ▼日時 2012年詳細未定 ▼内容 未定 詳細はこちら ▼講師 解剖学教授 【医療従事者向けワークショップ】(京都・丹後) ▼日時 2011年10月(未定) ▼内容 リハビリ現場や介護予防に導入できる最新運動療法 ▼講師 臨床系医療従事者 ▼会場 京都府宮津市 ▼主催 予防医療フィットネス研究会 ▼協力 NW宮津天橋立 りらせら Relathera 掲載広告は当ブログとは無関係です。 カテゴリ
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