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2010年 02月 10日

2月のワークショップ ( in Tokyo ) 2.7 その3

【 胸郭出口症候群 】

■臨床的概念
「胸郭出口症候群とは、鎖骨下動静脈あるいは腋窩動静脈および腕神経叢がなんらかの原因で圧迫を受けることによって生じる、項部・肩背部・上肢などの痛み・感覚異常・脱力感などの一連の症候群。」
近年の見解
・血管障害が主症状である血管因性のTOSは約5%。
・90%以上は腕神経叢刺激過敏状態を呈する神経因性のTOSである。
・神経血管束への圧迫刺激の他に、けん引刺激に起因する病態も存在する。
→ 「胸郭出口症候群とは主に腕神経叢が胸郭出口おいて圧迫あるいはけん引的刺激要因により神経過敏状態となり、頚部・肩背部・上肢の痛みや感覚異常、脱力などを引き起こした疾患群である。」




■原因
▼斜角筋三角部の形態異常
小斜角筋や異常索状物の存在
頚肋の存在
第7頚椎横突起の肥大
肋鎖間隙の形態異常
■分類
斜角筋症候群:前・中斜角筋間隙
頚肋症候群:頚肋による刺激
肋鎖症候群:鎖骨・第1肋間
過外転症候群:烏口突起・小胸筋下間隙
■臨床症状
上肢の疼痛・しびれ感・疲労感、握力低下、上肢挙上位の持続で増悪、重量物を持っていると増悪、
上肢のチアノーゼ・冷感、項部~頸肩背部の鈍痛・こり感、頭痛・眩暈・嘔気
■他覚的所見
斜角筋三角の圧痛
頚椎の伸展・回旋制限
上肢尺側の知覚鈍麻
理学テスト:モーリーテスト、アドソンテスト、アレンテスト、エデンテスト、ライトテストなど
■治療
保存的治療:薬物療法、斜角筋ブロック、物理療法、体操療法、日常生活指導
手術的治療:斜角筋切離術、第1肋骨切除術、頚肋切除術、小胸筋切離術
■予後
保存的治療により、30~50%の症例が軽快・消失
症例の10~30%は手術的治療が必要

by relathera | 2010-02-10 16:20 | 予防医療フィットネス勉強会


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