人気ブログランキング | 話題のタグを見る

プロフェッショナル・スキルアップ  予防医療・リハビリに携わるプロフェッショナルたちの影の努力の場

relathera.exblog.jp
ブログトップ
2009年 11月 21日

基礎医学勉強会 (Kobe・Motomachi) 11.19

11月のsorama勉強会
 脊椎と内臓 その2
  __ 心因性(心身症を考える) __基礎医学勉強会 (Kobe・Motomachi) 11.19_f0207236_163247.jpg

心身症
    ◆定義
    ◆アレキシサイミア
    ◆心身医学的治療

  《 各疾患 》
    ■過敏性腸症候群
    ■胃潰瘍
    ■狭心症
    ■月経不順
    ■高血圧
    ■気管支喘息
    ■不整脈
    ■緊張性頭痛

Pilates Studio Sorama






■定義
 「心身症とは身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害がみとめられる病態をいう。ただし 神経症やうつ病など他の精神障害にともなう身体症状は除去する」(日本心身医学会1991)

  ・心身症はこころの問題の関与が大きい身体疾患の総称。
  ・精神の持続的な緊張やストレスによって発生する。身体的な検査で実際に異常を認めることも多い身体疾患であるが、症状の発生や、症状の増悪に心因が影響している疾患をさす。
  ・身体的な治療と並行して、心理面の治療やケアも必要な場合が多い。
  ・なお、適応障害との区別は曖昧であり、同じ病気として扱う精神神経科医も多い。

◆アレキシサイミア
 心身症になりやすい人の性格傾向として、アレキシサイミアと呼ばれるタイプが指摘されている。これは自己の感情を意識的に認知することの苦手さや、空想力、創造力の欠如を特徴とする性格傾向である。アレキシサイミアの人は、不満や不安などの感情を意識で認識する代わりに、身体で表現してしまうのではないかというメカニズムが考えられている。また、たとえば「攻撃的な性格の人は循環器系の疾患になりやすい」など、その人のパーソナリティと症状が表れる身体部位が関連するという説が一部にはあるが、明確に証明されているわけではない。

◆心身医学的治療
 一般心理療法、薬物療法、カウンセリング、自律訓練法、バイオフィードバック法、行動療法、交流分析、認知療法など
全人的医療、補完代替医療の台頭。


《 各疾患 》

■過敏性腸症候群
▼症状
 主に便通異常。症状の現れ方によって、不安定型、慢性下痢型、分泌型、ガス型の4つに分けられる。排便により、しばらくは症状が軽快するが、またぶり返す。
 *不安定型:腹痛及び腹部の違和感、下痢と便秘が複数日間隔で交互に現れる(交代性便通異常)。
 *慢性下痢型:少しでもストレスや不安を感じると下痢を引き起こす。神経性下痢などともよばれる。
 *分泌型:強い腹痛の後、大量の粘液が排泄される。
 *ガス型: 過剰なストレスによって腹部にガスがたまる症状。症状が重くなると、無意識の内にガスやにおいがもれるようになる。

 腸の運動を司る自律神経に異常があったり、精神的不安や過度の緊張などを原因とするストレスなどが引き金となる場合がある。またもともと神経質な性格であったり自律神経系が不安定であったりする人が暴飲暴食やアルコールの大量摂取などを行ったり、過労や体の冷えなどの状態に置かれた場合に症状が発生する場合がある。
 また、最初は身体的理由(暴飲暴食など)が原因で下痢をしたものが、それにより人前で恥をかくという経験を幾度か重ねるうち、学習効果により人前で下痢をすること自体に恐怖心を持ってしまい、長時間トイレのない場所や人目に触れずにトイレに入らないような場所にゆくと不安障害の一種として下痢をするようになることもある。これはちょうど、乗り物酔いしやすい人というのは、乗り物酔いを何度か経験するうちに「また乗り物酔いするのではないか」という予期不安によって、乗り物に乗る前から、意識がそれに集中してしまい、酔いやすい状態(あるいは酔った状態)になるという、いわゆる「酔うと思うから酔う」現象に似ている。パニック障害などとほぼ同じ原理といえる。
 もし、身の周りにこのような人がいたら、「なぜ我慢できないの」と思うのではなく、この病気についてよく理解し、相手を傷つけない行為をすることが大切である。

■胃潰瘍
 胃潰瘍は胃から分泌される胃酸と、胃酸から胃壁を守る粘液の分泌とのバランスが崩れ、胃酸によって胃壁に穴(潰瘍)が空き、痛みを感じたり、場合によっては出血を起こす病気である。重度の胃潰瘍の場合は、胃壁の穴が胃の外側にまでつながる場合もある。
胃潰瘍の症状や治療法の多くは十二指腸潰瘍にもあてはまるため双方を総称して消化性潰瘍と呼ぶ。違いとしては、十二指腸潰瘍は若者に多く胃潰瘍は中年以降に多い点があげられる。
また、ヘリコバクター・ピロリ保有者は、非保有者に比べてこの疾患の発症率が高い。
▼症状
 腹痛(上腹部痛)が代表的ではあるが、背部痛、食欲がない、体重減少、吐血(鮮血の場合もあり、コーヒー色様のこともある)、下血(大量出血の場合は泥状の黒色便、さらに大量に出血した場合には血性の便)、胸やけ、もたれなど多彩であり、検診の発達した日本では、偶然発見され全く症状のない場合も極めて多い。
重要な合併症として出血と穿孔がある、一刻も早い専門医での治療が必要である。出血した場合には、頻脈、冷汗、血圧低下、気分不快、吐血、下血などの症状が出現する。穿孔の症状としては、持続性の非常に強い腹痛、圧痛、反跳痛、筋性防御、発熱などがある。
 食後に腹痛が増悪する場合には胃潰瘍、食前に増悪する場合は十二指腸潰瘍である場合が多い(胃に内容物があれば胃酸は十二指腸まで流れづらく、胃に内容物が無い場合には胃酸は直ぐに十二指腸へ落ちるため)、しかし実際には必ずしもそうあるとは限らないために注意が必要。同様の症状を生じる疾患として、機能性胃腸症の頻度が最も高く、その他に十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、急性膵炎、慢性膵炎、胆石、胆嚢炎など除外診断すべき疾患は極めて多い。

■狭心症
 心臓の筋肉(心筋)に酸素を供給している冠動脈の異常による一過性の心筋の虚血のために胸痛・胸部圧迫感などの主症状を起こす。虚血性心疾患の一つである。完全に冠動脈が閉塞、または著しい狭窄が起こり、心筋が壊死してしまった場合には心筋梗塞という。
▼原因
 一般的に狭心症は心臓の冠動脈にプラークという固まりができ、血液の通り道を狭くすることによって起こるもの。誘因としては高血圧、高脂血症、肥満、高尿酸血症、ストレス、性格などが考えられる。
冠レン縮型狭心症は、心臓の血管そのものが異常収縮をきたし、極度に狭くなってしまうために起こる。
微小血管狭心症は心臓内の微小血管の狭窄及びレン縮によって起こるもの。誘因としては閉経、喫煙などが考えられる。
▼症状
 狭心痛(締め付けられるような痛みは絞扼感や圧迫感)が主症状である。痛みは前胸部が最も多いが他の部位にも生じることがある(心窩部から、頚部や左肩へ向かう放散痛など)。発作は大体15分以内には消失する。他に、動悸・不整脈、呼吸困難、頭痛、嘔吐など。症状を放置した場合、心筋梗塞、心室細動などを引き起こす場合がある。

■月経不順
 ・月経が始まった頃は、月経周期は安定せず、数か月起こらなかったりすることもよくある。
 ・月経周期の異常
 ・月経持続期間の異常
 ・月経量の異常

■高血圧
 血圧が正常範囲を超えて高く維持されている状態である。高血圧自体の自覚症状は何もないことが多いが、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの発症リスクとなる点で臨床的な意義は大きい。生活習慣病のひとつであり、高脂血症、糖尿病など、肥満との合併はメタボリックシンドロームと呼ばれる。
正常血圧:収縮期血圧130以下、拡張期血圧85以下  適血圧:120以下、80以下
血圧が高い状態が持続することが問題となるのであり、運動時や緊張した場合などの一過性の高血圧についての言及ではないということである。高血圧の診断基準は数回の測定の平均値を対象としている。運動や精神的な興奮で一過性に血圧が上がるのは生理的な反応であり、これは高血圧の概念とはまた違うものである。

■気管支喘息
 アレルギー反応や細菌・ウイルス感染などが発端となった気管支の炎症が慢性化することで気道過敏性の亢進、可逆性の気道狭窄をおこし、発作的な喘鳴、咳などの症状をきたす呼吸器疾患である。喘息発作時にはこれらの症状が特に激しく発現し、死(喘息死)に至ることもある。単に喘息あるいはぜんそくと記す場合、一般的には気管支喘息のことを指す。
・アトピー型の喘息患者が発作を引き起こすのはⅠ型アレルギーにより化学伝達物質が発生するためである。その 誘因は細菌・ウイルス感染、過労、ハウスダスト・食物・薬物などのアレルゲン、運動、タバコ、アルコール気圧変化、精神的要因などさまざまである。
・非アトピー型の気管支ぜんそくの病態生理はまだはっきりしていない。だが、肉体的ストレスを含めたストレスが喘息に悪影響を与えているという説はある。
▼治療
 喘息体操や乾布摩擦、体力づくりが効果を発揮する患者もいる。ただし呼吸筋を鍛えたことにより症状が良くなったと感じるためで炎症が治まったわけではない。良くなるという説もある。プールは塩素によって悪化することも。
★喘息が治ることを過剰に宣伝し、大量の商品、サプリメントなどを買わせる医師や業者がいるので注意が必要。安易にこれらの医師や業者を信じ自然治癒力や自律神経のコントロールだけに固執した結果、発病初期や炎症の悪化時に吸入ステロイドや内服のステロイドによる十分な抗炎症治療を受けずに難治化していき、吸入ステロイドを中心とした濃厚な治療を受けてもコントロールできない患者や発作治療薬だけを乱用し続けている患者も一部にいる。

■不整脈

■緊張性頭痛

by relathera | 2009-11-21 15:51 | 神戸元町 ワークショップ


<< 予防医療フィットネス勉強会 1...      11月のワークショップ ( i... >>