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2009年 10月 06日

10月のワークショップ ( in Tokyo ) 10.4 その1

ピラティスインストラクター向けレクチャー 

《 運動器疾患 》

ロコモティブ・シンドローム ( Locomotive Syndrome )


ロコモティブ・シンドロームとは
主に加齢による運動器の障害のため、移動能力の低下をきたして、
要介護となる危険の高い状態。
⇒ 足腰が弱るかもしれない症候群

Ⅰ.概念の必要性
Ⅱ.運動器とは
Ⅲ.運動器の仕組み
Ⅳ.ロコモティブ・シンドロームの三大要因
Ⅴ.ロコモティブ・シンドロームという名称に関連する疾患・病態
Ⅴ.運動器不安定症
Ⅵ.診断法、対処法





Ⅰ.概念の必要性
◆高齢者では変性、骨粗鬆症など運動器の複数の病態が複合して移動能力を低下させる。
◆各々の疾患、病態は互いに関連しあう。
◆専門分化が運動器にまで及んだことは高齢者の運動器の問題を考える上では弊害になる。
◆専門分化によって得られた知見を構造化することが必要で、
いわば整形外科を再総合化する合言葉が必要
◆運動器の障害が要介護の要因として重要であることを
要介護になる前の年代の人にも知っていただきたい
◆運動器の障害のための要介護となることを予防するための合言葉

Ⅱ.運動器とは
◆身体活動を担う筋・骨格・神経系の総称であり、
筋肉、腱、靭帯、骨、間接、神経、脈管系などの身体運動に関わる
いろいろな組織・器官の機能的連合のこと
◆運動器はそれぞれが連携して働いており、
どのひとつが悪くても身体はうまく動かない。
また複数の運動器が同時に障害を受けることもある。
◆高齢者では運動器の複数の病態が複合して移動能力を低下させる。
◆整形外科で扱う対象の総称。
明治37年、田代義徳初代東大整形外科教授は科の名称として整形外科か運動器外科かで悩んだ。

Ⅲ.運動器の仕組み
◆仕組みは医師には常識だが、一般の人には常識ではない。
◆仕組みを大まかでも一般の人に理解してもらうことが
運動器の問題を理解してもらうためには必要。
◆運動器を全体としてとらえる。それがロコモの考え方。

Ⅳ.ロコモティブ・シンドロームの三大要因
◆変形性関節症、関節炎による下肢の関節障害
◆脊柱管狭窄による脊髄、馬尾、神経根の障害
◆骨粗鬆症、骨粗鬆症性骨折

Ⅴ.ロコモティブ・シンドロームという名称に関連する疾患・病態
Ⅴ-1 運動器不安定症
a.運動機能低下をきたす疾患
◆脊椎圧迫骨折および各種脊柱変形(亀背、高度腰椎後弯・側弯など)
◆下肢骨折(大腿骨頸部骨折など)
◆骨粗鬆症
◆変形性関節症(股関節、膝関節など)
◆腰部脊柱管狭窄症
◆脊髄障害(頚部脊髄症、脊髄損傷など)
◆神経・筋疾患
◆関節リウマチおよび各種関節炎
◆下肢切断
◆長期臥床後の運動器廃用
◆高頻度転倒者
上記の疾患が現在又は過去にあり、
   かつ機能評価基準の自立度又は運動機能のどちらかの低下を示すもの。
b.機能評価基準
◆日常生活自立度:ランクJまたはA(要支援+要介護1,2)
◆運動機能   :1)または2)
    1)開眼片脚起立時間 15秒未満
    2)3m Timed up and go test 11秒以上
    (2004年日本整形外科学会、日本運動器リハビリテーション学会、
                       日本臨床整形外科医会の連盟で発表)

Ⅴ-2 廃用症候群
◆1964年のリハビリテーションの教科書にある disuse syndromes disuse phenomena
◆使わないでいると衰えてしまう現象
◆急性期を乗り切った患者が関節拘縮、筋委縮、痴呆症状に陥って
リハビリテーション医療関係者に紹介される場合が多い

Ⅴ-3 介護保険と介護度
◆要支援1、2 : 社会的に支援が必要な状態
   排泄や食事は自力で行うことができる。
   立ち上がりや歩行などに支えを必要とする。
◆要介護1 : 部分的に介護を要する状態
   立ち上がりや歩行が不安定で一部介助が必要。
   排泄や入浴に一部介助が必要。
   問題行動や理解の低下が見られることがある。
◆要介護2 : 軽度の介護を要する状態
   立ち上がりや歩行が自力ではできない場合がある。
   排泄や入浴などに一部または全介助が必要。
   問題行動や理解の低下が見られることがある。
◆要介護3 : 中等度の介護を要する状態
   立ち上がりや歩行が自力ではできない。
   排泄、入浴、衣服の着脱などに全介助が必要。
   問題行動や理解の低下がいくつか見られることがある。
◆要介護4 : 重度の介護を要する状態
   排泄、入浴、衣服の着脱など日常生活の殆どに介助を必要とする。
   多くの問題行動や理解の低下が見られることがある。
◆要介護5 : 最重度の介護を要する状態
   排泄、衣服の着脱、食事など生活全般に介助を必要とする。
   多くの問題行動や理解の低下が見られることがある。

Ⅵ 診断法、対処法
◆ロコモーションチェック (ロコチェック)
自己点検法として、以下のうち、ひとつでも当てはまれば、ロコモであるとする。
①脚立ちで靴下がはけない、
②家の中でつまずいたり滑ったりする、
③階段を昇るのに手すりが必要である、
④横断歩道を青信号で渡りきれない、
⑤15分くらい続けて歩けない、
◆ロコモーショントレーニング (ロコトレ)
既報告からバランス訓練と動的筋力訓練の2種類とする。
バランス訓練として片脚起立訓練
動的筋力訓練としてスクワット
◆エビデンス(EBM)
①、③~⑤ 、②は検討中


           (日本ロコモティブシンドローム研究会発表)
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by relathera | 2009-10-06 10:25 | 東京新宿 ワークショップ


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